シマノ派的には最近ネタがない

昔話

俺は釣りを始めたときからシマノ派。
なぜなら、親戚がシマノ派だったし、村田基さん、田辺哲男さん、辺見哲也さんに憧れたから。

一度、20年くらい昔にダイワのスピニングリールを購入したが、早々に異音が発生したため、それ以来長年ダイワ スピニングリールは食わず嫌い(トラウマともいう)。
2000年前後のダイワのリールはいま振り返っても、コンセプトは良いがメカの完成度はイマイチだったと思う。
逆に当時のシマノはメカとしては割と高レベルでも、コンセプトはかなり残念だっとと思う。
カネがないのに釣りの頻度が高い生活だったので、壊れないことが第一。
結果シマノ派に落ち着きました。

時は流れて

釣りを中断していた期間もあったが、釣りに復活。
ライトゲームメインに楽しんでいます。

タックルを買い直すにあたって、とりあえずシマノリールを購入
結果的に、そのままシマノリールを適宜買い足したり買い替えたりして今に至ります。

特筆すべき点が…

シマノの中〜上級機種(バイオマスター(ストラディック)/レアニウム(ストラディック)以上高価なモデル)については、2014年くらいから大きな変化はない気がしています
俺の中で重要だと思う"FEATURE"があります。
それを重要な順に紹介すると次のようになります。

で、それら"FEATURE"が出揃ったのが"14ステラ世代"です。
ということで、いまでも14ステラ世代の16ヴァンキッシュ/16ストラディックCI4+を大きな不満なく愛用しています。

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下位機種のスプールは比較すれば安い。
マルチスプールオペレーション的にはとても嬉しい。
14ステラ系列は16ヴァンキ〜15ストラディックまで互換性がある。
18ステラ系列は18ステラ〜19ストラディックまで互換性がある。

そういう意味で、18ステラ世代に買い換えようという積極的な動機がなくて(リールを買い足す場合は当然現行機種です)、次世代(22(?)ステラ)ではどういう進化があるのか楽しみにしています。

念の為補足しておきますが、14ステラ系列→18ステラ系列は間違いなく18系のほうが各所がレベルアップしています。
ただ、14系→18系の同クラスモデルを買い換えるほどの進化か?というとそうでもないと思う、というのが現時点での感想です。
18系の力不足というわけではなく、14系があまりにも良いからこそなのです。

ライントラブル対策

シマノの場合、これらが揃ったのは2000年代後半。一方ダイワは、それらに対応するFEATUREが出揃ったのが1990年代後半。( )内がダイワの対応するFEATURE。シマノは約10年遅れ。

  • AR-Cスプール〔07ステラ〕(ABSスプール〔'97〜'98?〕)
  • エアロラップ〔05バイオマスター〕(クロスラップ〔遅くとも'97〜'98〕)
  • ワンピースベール〔04ステラ〕(エアベール〔'99〕)

〔 〕は初搭載機種・時期ですが、記憶で書いているので間違っているかもしれません。

上記は、もはや搭載されていてあたりまえなので、シマノ・ダイワともに、あまり意識されることもないFEATUREです。

AR-Cスプール登場前は、ABSスプールのダイワと比べるとトラブルが多かったのですが、AR-Cスプールでこの部分は互角に。

"エアロラップ"は最近はFEATURE扱いもしてもらえていない気がしますが、2000年代前半には、スーパースローオシレーションという密巻きをやってまして…これまたクロスラップのダイワに比べるとトラブルが多かったのです。
ちなみにシマノのFEATUREは、基本的にはその世代のステラで初搭載されて、以後ツインパワー(ツインパワーMg≒ヴァンキッシュ)、バイオマスター(ストラディック、CI4+系)、アルテグラと展開されていきます。
このエアロラップは珍しい例外で、これこそ当時のシマノの混乱・迷走を表しているように思います。
05バイオマスターは、04ステラ系列。先行していた04ステラ、05ツインパワーはエアロラップではなく、"スローオシレーション"(密巻きだが01ステラ系列よりは密じゃない)だったのです。

ワンピースベール。ラインローラー周りの糸絡みに着目したのが98ステラ。
この世代はステラ以外は対策ナシのラインローラー周りです。
正確には、98ツインパワーの派生機種である00ツインパワーMgも対策ありの形状ですが、ワンピースではなく2ピースでした(2部品)。これが悪さをしたのです。

98TP
非ワンピースベールの98ツインパワー。
いまでも低価格帯のスピニングリールのラインローラー周りはこの構造。
引用元シマノ
04BM_L
04バイオマスターL(02バイオマスターの派生機種)。
ラインローラー周りの糸絡み対策済みのモデル。
この時点では非ワンピースベール(2部品)だったのですが、この2部品の合わせ目に隙間があってラインが挟まって切れるトラブルがあったそうです…。
幸い俺はこのベール搭載機を2台PEラインでヘビーに使っていましたが、ラインカッターベールではなかったようです(個体差があるらしい)。
ウェブ上では"ラインカッターベール"と呼ばれるシマノの黒歴史。
引用元シマノ

ちなみにダイワのエアベールも2部品タイプが広く使われています(上位機種では1部品タイプもある)が、ラインカッターベールではありません。
この違いは端面の処理などもありますが、そもそも、シマノのラインカッターベールは、ラインローラー側をメス側、ベールアームをオス側にするからラインが噛むのです。
ダイワはベールアーム本体がパイプで、パイプをメス側にして、ラインローラー側をオス側にしてはめ込んでいるためラインがベールアームからラインローラーへ移動するときに噛み込まないのです。
あきらかにダイワが合理的ですが、これは、ベールアームをパイプにしたからできることであり、おそらくダイワの特許だったのでしょう。知らんけど。


余談

ちなみに、俺はメカとしての完成度重視でこの年代にもシマノスピニングを愛用していました。
スーパースローオシレーションでも、あまりトラブルを起こさないような糸捌きを覚えることができたのは良かったかもしれません。
あと飛距離は良かったです。
またこの時代のハイブリッドアルミスプールという"樹脂製スプールにアルミの皮をかぶせたスプール"は結構合理的だと思っています。
というのも、この時代のスプールは鍛造は少なく鋳造でしたので、重たかったのです。
ちなみに同時代、ダイワはABS樹脂に分厚いめっきを施したエアスプールを推していました。
このエアスプールはLTになる直前までありましたが、2010年代になり、切削加工のスプールが作りやすくなったのか、切削で肉薄にして軽量化を達成する設計が増えてきていました。
LT化したのちは、すごく軽量な切削加工の薄肉アルミスプールがメインになっています。余談終わり。



防水性

波しぶきを日常的にかぶる釣り、足場の低い磯・堤防やボートゲーム、をメインに楽しむようになったので、俺にとってリールの防水性はとても重要です。

なので、コアプロテクトやXプロテクトは嬉しい機能です。

軽いローター

ライトゲーマー的にはロータの軽さは重要。
マグナムライトローターは初代(12ヴァンキなど)はかなりたわみやすかった(剛性不足)ですが、二代目(16ヴァンキなど)でかなり良くなり、個人的には不満がなくなりました。
ちなみに、現行版(おそらく二代目のマイナーアップデート版。19ヴァンキなど)はさらにたわみにくくなっています。

HAGANEギア

シマノが得意とする冷間鍛造で精密につくられるアルミ合金製のギヤ。
昔はCFギア(コールドフォージング ギア)と呼んでいました。
2015年あたりからHAGANEギア(& HAGANEボディ)と言い出した気がします(曖昧な記憶)。

これは亜鉛製ギヤよりも高耐久性ということが売りですが、ライトゲーマーにとっては丈夫さはもちろんのこと、亜鉛ギヤよりも圧倒的に軽いことが嬉しいです。
比重は亜鉛合金が約6.7、ジュラルミンが約2.8です。

高耐久なHAGANEギアのおかげで、HGやXGも広く展開されるようになりました。
ハイギヤ信者の俺にとっては、HAGANEギアのこれが一番の利点かもしれません。


亜鉛ギヤも、適切につくれば重さ以外は別に普通に問題のないギヤです。
ちなみにダイワはフリームス/カルディア級にもいまでも亜鉛ギヤを使っているはずです。

HAGANEボディ

正直あまり興味なし。ライトゲーマーなので。

最近は炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)の性能も高いので、ライトゲーム〜ミドルゲームであればCFRTPボディがコスパ最強な気がします。

とはいえ、金属ボディの質感はたしかに良いし好きです。

昔はハイブリッドアルミボディといって半プラボディは正直にそう言っていたのですが、最近は半プラも全金属も区別なくHAGANEボディ。
なんだかなぁ。

15ツインパワーSWはアルミの脚付きフタとGFRPのボディのハイブリッドAlボディだったらしいのですが、特に弱いなんてこともなく。
なので、適切に設計してあれば半プラが悪いわけではない、ということでしょう。

ましてや最近の高級機の半プラボディは、プラ側をCI4+にして、ネジ穴は金属のメスネジをインサートしています。
手に触れる脚付きフタをAlやMgにすることで金属の高級感を、ボディを軽量な樹脂製にすることで軽量化を、両立する合理的設計だと思います。

ライトゲームで釣果を伸ばすならリールよりも竿が重要だと思う

そんなわけで16ヴァンキッシュとその下位機種16ストラディックCI4+系が、現状のシマノスピニングの1つの到達点だと思っています。

おかげでリールへの興味をかなり失うことができたので、竿の探索・試行錯誤に集中することができています笑